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中古マンション争奪戦「10年間、タダで住めたようなもの」世帯年収800万円夫婦も狙う物件とは

新築信仰は今は昔。都心部で家を買う場合、中古マンションが争奪戦となっている。超低金利時代、世帯年収がそれほど高くなくても手が届くようになったことも大きい。最近の不動産事情を探った短期集中連載「それでも夫婦は東京に家を買う」。子育て世代がいま、都心で家を買うならば、何が“正解”なのか。今回は、中古マンション購入のリアルな事例と最近の傾向を紹介する。

 千代田区、2LDK、55平米、最寄り駅から徒歩10分以内。

都心の大手企業に勤めるAさんは、妻(33)と1歳の子どもと3人暮らし。そのAさんが3年前に購入したマンションの特徴だ。子どもが小さいとはいえ、子育て世代の“あこがれあのマイホーム”としては、55平米はちょっと手狭ではないだろうか。子どもはこれからどんどん大きくなる……。

すると、Aさんはあっけらかんと答えた。

「5年後にはだぶん売却していますよ」

いまAさんが住んでいるマンションは中古物件で購入時の価格は約6千万円。土地柄、文教施設も多い。「周囲に大学が多く、資産価値が下がりにくいだろう」という不動産屋のアドバイスを踏まえ、決めた。

このマンションを購入するまでは、渋谷区で月18万円の賃貸マンションに夫婦で住んでいたが、「高額の家賃を払い続ける生活はもったいない」と、購入に踏み切った。その時に大きな後押しとなったのが、10年前に買った渋谷区のマンションを、購入時とほぼ同じ価格で売却したという会社の先輩の話だ。

その先輩は妻と子ども2人の4人家族。子どもの成長とともに部屋が手狭になったことから、2人目の子どもが小学校に上がるタイミングで、「より広い部屋に移り住もう」と住んでいたマンションを売却。利便性が高い人気エリアだったこともあり、購入時とほぼ同じ金額でも、すぐに買い手がついたという。「10年間、タダで住めたようなもの」とホクホク顔の先輩を見て、Aさんは「自分も資産価値が保てる家を選ぼう」と心に決めた。

買うと決めてから、今の家に出会うまでの期間は約半年。子どもが小学校に上がる5年後のタイミングで資産価値が大きく下がらなければ、今の家を売却し、その資金を元手に、もう少し広い部屋に住み替えを検討しているという。

「売却時に実際いくらで売れるかはその時になってみないと分かりませんが、現状の周辺エリアの売却相場を見る限り、価値は維持できるだろうと踏んでいます」(Aさん)


 今、Aさんのように、都市部を中心に、いずれ売却することを想定してマイホームを買う人が増えているという。たとえ「一生住み続けるつもり」で家を買ったとしても、人生100年時代と言われる中、自分を取り巻く状況がいつ変わり、何が起こるか分からない。先が見通しにくい時代だからこそ、リスクヘッジという意味でも、「いざとなれば家をお金に換えられる」買い方を望む人が増加している。

「今は家の選び方によって、その後の人生の明暗が変わってくる可能性があると言えるほど、物件選びが重要な時代です。選び方の知識がないと、後悔することになりかねません」

 首都圏を中心に不動産の購入、売却など、これまで6千件を超える取引を行ってきた不動産コンサルタントの後藤一仁さんは、こう指摘する。

現在、首都圏の住宅購入において最も取引が活発なのは中古マンションだ。都心を中心に新築マンションの価格が高騰していることからも、中古マンションに目を向ける人が増えており、激しい争奪戦が繰り広げられているという。

マンショントレンド評論家の日下部理絵さんも、こう続ける。

「以前は新築信仰が強い傾向でしたが、今は中古に対する抵抗感を持つ人が少なく、ここ最近は築浅物件のみならず、都心にある築30~40年の古い物件もよく動いています。リノベーションの専門業者も増え、中古物件を自分好みにリノベーションして住みたいと考える人も増えています」

とはいえ都内、それも都心周辺に家を購入できるのは、高額所得者に限られるのではないか。

「そうとも言えません」というのは、前出の後藤さんだ。後藤さんによれば、資産価値を考えたマンション購入を検討している層は、30代~40代の共働き世帯も多く、購入予算は5千万~6千万前後。平均の世帯年収は800万~1千万前後で、自己資金として夫婦で400万~600万程度貯めている世帯が多いという。

「例えば年収500万円前後の夫と400万前後の妻で、二人合わせて世帯年収が800~900万前後という方も多く検討されています。今は住宅ローンが史上最低とも言える超低金利ということもあり、金利が上がらないうちに、ここ1年ぐらいで買おうと考えている方も少なくありません」(後藤さん)



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